2入力のEXOR(EOR)って、2つの入力が一致した時に出力が'0'、一致しなかった時には'1'になる。
うん、2入力なら良く判る。
で、源内CADのシンボルをずらっと眺めて見ると、、、3入力EXORと4入力EXORってのが標準で入ってる。
これって、何者?
たぶん2入力EXORの定義の自然な拡張なんだろうけど、じゃ2入力EXORの定義ってどんなだっけ?
2つの入力が全て'0'または全て'1'の時に出力が'0'になり、それ以外では'1'になるってのが、一般的な定義かな。
とすると、3入力EXORって、3つの入力が全て'0'または全て'1'の時に出力が'0'になり、それ以外では'1'になるのかな?
結論から言うと、源内CADの3入力/4入力EXORは、こういう定義じゃないみたいです。
じゃ、どんな定義になってるのかねぇ?
じっとシンボル眺めて考えて見たって、絶対答えは見つからない。
掲示板に質問書いたって、答えが来るかは、わからない。
こういう時は、簡単な回路作ってシミュレーションしてみた方が絶対早い。
んで作ってみたのが、こういう回路。
カウンタが入ってるのは、いちいち手で入力パターンを作るのが面倒いからw
カウンタは、クロックだけ作ってあげれば、網羅的なパターンを勝手に作ってくれるからねぃ(^^;

この回路のシミュレーション結果は、こんなん。

シミュレーション結果をよーくミルと、EOR3出力とEOR22出力とはピッタリ一致してる。
EOR4出力とEOR222出力ともピッタリ一致している。
つまり、EOR22出力/EOR222出力を生成する回路は、EOR3出力/EOR4出力を生成する回路と等価だってこと。
EOR3出力もEOR4出力も、A=B=1,C=D=0の条件で'0'になっている。
だから、先に書いた「入力が全て'0'または全て'1'の時に出力が'0'」っていう定義は、間違ってる。
じゃぁどう解釈するかって?
シミュレーション結果をよーく見ると、「'1'入力が偶数の時に出力が'0'、それ以外の時に'1'」って定義がピッタリ来る。
この定義は、2入力EXORにも当てはまる。
まぁ2入力EXORの定義としてはあまり一般的じゃないと思うけど、源内CADのEXORはこう解釈するのが正しいらしい(^^;
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「'1'入力が偶数の時に出力が'0'、それ以外の時に'1'」って定義を見て、「ソレってアレじゃん!」とか思った人、いるかな。
そう、アレなんですよアレ、アレの1桁目! でもアレって何だろうねぇw
源内CADQ&Aコーナーの2003年6月頃を見てみれば、書いてあるんだけどねぇ(^^;
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でもね、3入力以上のEXORって、あまり一般的じゃない。
74xxシリーズの汎用ロジックICのラインナップにも、3入力EXORなんて無い。
なぜだろー。
簡単な答えは、2入力EXOR74xx86を組み合わせて簡単に作れるから。
難しい答えは、「名は体を表す」って原則に反するから。
なんじゃそりゃ?って(^^;
論理回路もソフトウェアも同じなんだけど、基本的に「名は体を表す」って原則がある。
いや、「ある」って言うより、「そうすべきだ」と言った方がイイw
論理回路のゲートだと、「シンボルは機能を表す」って言ってもイイw
どういうコトかってぇと、論理回路もソフトウェアも、作れる規模がどんどん規模が増大してって、
「必要な機能をいかに早く簡単に作り上げるか」が大事になってる。難しく言えば生産性の向上が求められている。
このために、昔作った部品を再利用するとか、手ごろな部品を探してきて流用するのが、アタリマエになってる。
このとき、その部品のシンボルや名称が、そのままその部品の機能を表していれば、間違いは少なくなる。
その部品のシンボルや名称から機能を想像できないよーな部品は、誰も使ってくれない。
シンボルや名称から想像できる機能とまるで違う機能を持った部品ってのは、存在自体が迷惑だ。
例えばカウンタの回路にシフトレジスタなんて名前付けて、ご自由にお使いくださいって配布すると、
きっとアチコチで不幸な出来事がたくさん起きるw
だから、汎用的に使う部品には、誰がどう解釈しても間違わないようなシンボルや名前を付ける必要がある。
んで、3入力EXORとか4入力EXORとかは、この原則に反している。
だから、74LSとか74HCのシリーズには3入力EXORなんて無い。
上のほうに書いたような間違った解釈が簡単にできちゃうから。
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ところで、すんごい身近に2入力EXOR的な動きをするモノがある。。。。身近にソレが無い人も居るけど。
ソレは何かってぇと、階段の電灯のスイッチ。
階段の真ん中に1個の電灯があって、その電灯のスイッチは階段の上と下に1個づつ、2個ある。
階段の上のスイッチをONしても、下のスイッチをONしても、電灯は点灯するんだけれども、
上のスイッチと下のスイッチを同時にONすると、なぜか電灯は消灯する。
この動作、真理値表にしてみると、ほ〜ら見事にEXOR。
で、このコントロールって、論理回路のEXOR、例えば74LS86なんて、使ってないよ?
単なるスイッチと配線だけで、そういう動作を実現している。
さぁ、ど〜なっているんだろうねぇ、まだ知らない人は、悩んでみようw。
ヒント@:スイッチが単純なONとOFFじゃぁ無くて、単極双投スイッチ、英語で言えばSPDTスイッチなんだな。
ヒントA:スイッチの状態がどんなんなってもブレーカー飛ばないような配線だよ(^^;
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